Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
て、妹に恋の全部を奪われた身になった時、果してお銀様が内外共に、なんらの呪詛と反抗の形式を外に現わさずに、わが身を殺すだけで甘んじ得られるかどうか、そこはわからない。だから、磐長姫の名を筆頭に上げたからといって、それが真の同情か、真の共鳴か、或いは充分の憐憫と軽蔑とが含まれているのか、それはわからない。
その次にお銀様は「須勢理姫」の名を書いている。
この女性は、神代に於ける第一の艶福家大国主命のために、嫉妬の犠牲となった痛ましい女性である。お銀様はこの女性の名を書いたけれど、嫉妬のどこに同情があるか、またこの女性のように、嫉妬の立場に置かれて、自分が命との間に出来た子を木のまたにくくりつけて置いて、姿を消してしまうほどに無執着になれるかどうか、わからない。また一概に須勢理姫を、悪女の中に入れてしまった標準のほどもわからないが、ただ、嫉妬その事だけが、悪女の最大資格の一つと認定してしまった独断かも知れない。
それより、やんごとなき身で、実の兄妹で深い恋に落ちた女性の名。
尊貴の身にして、やはり嫉妬のために焼き亡ぼされ給わんとしたその御名。
小碓命に恋を捧げて、その父を売った梟帥族の娘。