Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
いったい、かような異常な昂奮によって、お銀様に選び出されて、その筆端に載せられている、有縁無縁の三界の亡霊というは果して何者?
それは狂熱的、昂奮的、反抗的であることは勿論だが、そのうちに、冷静なる史的根拠と、お銀様独断の順序が、一糸乱れずに存在していることはいるらしい。
昂奮と、反抗は、ただ表情として現われるのみで、仕事の事務としては、いささかも、狼狽と不規律は存していないようです。
まず、そのお銀様の筆端にのぼった最初の人の名から調べてみましょう。
六寸に切った木片の第一には「磐長姫」の名が書き記されてあることを発見した時に、これは、お銀様として、さもありそうなことで、いささかも人選を誤っていないことを、誰もさとるに違いありますまい。おそらく神代の日本婦人として、磐長姫ほどに、お銀様に共鳴する婦人は無いかも知れません。
妹姫、木花咲耶姫の名にし負う艶麗なるにひきかえて、極めて醜婦であった磐長姫――瓊々杵尊から恋せられた妹姫の添え物として、父から贈られたこの醜女の磐長姫。
その美なるを以て妹姫はかぎりなく寵愛せられ、その醜なるが故に姉姫は尊からつき返された、そうして笠沙の宮を逐われた醜い姉姫は、懊悩と、煩悶と、嫉妬のあまり、米良の山の中の深い谷に身を投げて死んだ――だが、かりにこれをお銀様の身に比べ