Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
室の主人は、今、腕組みをしている手をほどいてみたが、別段、深い冥想の底から、安祥として、現世の色界に戻って来たという足なみでもなく、そうかといって、退屈しきって、所在なさに、四肢の置き場と、顔面筋肉とを、無意味に変化させてみようというのでもない。動いてはじめて存在が知れたような透明な、しかし白濁な色を以て、ちょっと身動きをしてみたまでであります。
腕組みを解くと共に、ちょっとまた小手が動くと、するすると座右の刀が膝に上って来ました。
この人のは、刀を手にとるのではない、合図をすれば刀が膝に上って来るのです。ちょうど、乳を求むる子が、母の膝に本能的にはい寄るように――そこで刀が膝に上って来た時は、当然それに乳を与えねばなりません。
刀が膝へ上った時に、向うの襖の下へピグミーが現われました。
それは多分、弁信の前へ現われたピグミーと同一眷族のものに属するのでしょう。そうでなければ、全く同一物かも知れません。真黒な四肢五体に、長い帽子をかぶって、帽子もろともに、身のたけが一尺五寸には過ぎないでしょう。
ピグミーは必ずしも悪魔ではありませんが、よく悪魔の真似をしたがります。