Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「そう、おじさん、もしかして、弁信さんはそっちへ行かないかしら」
「弁信さんて?」
「弁信さんというのは、私のいちばん仲のいいお友達よ。あの人とは、上野原で別れたっきりなんですもの。もしかしておじさんの方へ行ったら知らせて下さい、その人は琵琶を弾く盲目の小僧さんだから、直ぐ分りますよ」
「ああ、それじゃ、もしおじさんの方へ来たら、知らせてあげよう」
「どうぞ頼みます」
そこでこんどは七兵衛が、この少年に向ってたずねてみる気になりました。
「坊ちゃん、お前の名は何ていうの」
「茂太郎――」
「茂ちゃん」
「ええ」
「あの、さっきから物置の方で大きな声で泣いていた者がありますね、あれは何ですか」
「あれはマドロスさんよ」
「マドロスさんというのは?」
「マドロスさんは、外国から海を流れ着いた人なのよ、それを殿様が拾って来て、うちに置いてあるんです」
「そうですか、では外国人の大人ですね」
「ええ、ええ、大人も大人、六尺の上もありますよ、田山先生も大きいけれど、それよりずっと大きくて、眼が碧くて、髪の毛が赤いんですよ」
「そうですか、そんな大きな人が、なぜあんなに泣くのです」
「それには理由があるのよ、おじさん、あれはなかなか赦してあげられない理由があるのですよ」