Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
登って行くところを見ると、そこに水門口があります。
一方は井堰。
ちょうど、山崎の合戦で、羽柴軍と明智軍とが天王山を争うたように、この両箇の先陣が、その水門口をめがけて我先にと競いかかる有様が、米友にハッキリと読めました。
「ははア――水門だな」
今や明らかに両軍争奪の的が、米友及びその馬であることは消滅すると共に、新たなる目的物の存在がわかりました。
目的はあの「水門口」の奪い合いだということは、馬鹿でない米友の頭にかっきりとわからないはずはありません。
「よくあることだ!」
それは芝居気たっぷりな模擬戦でもなければ、見得や慰みでやるお祭でもない。好きと病で、稼業を休んで、ああしているわけではない。全くの戦争だ、いや、戦争以上の生活の戦いだ。
水争いである――よくあることだ、ひでりの年には。
水を取ると取らないとは、二つの村の収穫に関係するのである。一年の収穫は、百姓の生活の全部に匹敵するのである。彼等両岸の村々の者が、その収穫のために水を得ようとするのは、その生活のために生命を守ろうとするのと同じことだ。
必要だ――道庵流の模擬戦とは事が違って、現実に即した生死の争いだ、笑いごとや、冗談ごとじゃねえぞ!