Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

睨むのと同様です。さすがの米友も、真向きに見られて、まぶしいような、テレ臭いような、小癪にさわるような気分に迫られたけれど、どうも今晩は、今晩だけではないが、この女に対しては、そうポンポン啖呵がきれないのです。といっても、それはお角さんに対する時のように、妙にすくんだ高圧されるような意気込みで、たんかがきれないのではなく、この女王に対しては、何とも言えない、一種の親しみを感ずるような点から、米友がテキパキと、そっけなく片づけきれない何物かがあるのです。

「ねえ、友さん」

「うむ」

「じゃ、もう一つ頼みがあります、聞いて下さる?」

「うむ――」

頼み、頼みと、言葉だけはしおらしいものだけれども、この頼みというやつが、なまやさしいものではないことを、米友はよく呑込んでいる。しかし、かりにも頼み――と言われてみれば、「おれも男だ」という緩怠心が湧き出さない限りもあるまい。

「ああ、よかった、友さんが、わたしの第二の頼みを聞いてくれました」

こう言ってお銀様は、凱歌をあげるような、あざ笑いをするような独断を試みたので、米友が狼狽しました。

「まだ、聞いたとも聞かねえとも言やしねえんだ、いってえ、その頼みというのは何なんだエ」