Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme
」
その時、ブーンと風をきって曳火弾のように米友の手のうちから飛び出したのは、それは例の宇治山田以来身辺を離さぬところの杖槍でありました。手練の手もとから風をきって飛び出したその目あては、あの大鷲でなくて何であろう。
「あら! 米友さん、無茶なことをしては……」
かえってお雪ちゃんが、その棒のために胸を打たれた思いをしました。
というのは――いくら腹が立つといったところで、ここであの鳥を痛めつけては、どうもならないではないか、鷲が一羽だけでもあるならば、それを打ち落そうとも、射止めようとも知らないが、あの鷲は弁信さんという人質を取っている、鷲を落せば、弁信さんも落ちて来る、落ちれば鷲よりも弁信さんが先に粉微塵に砕けてしまうではないか、米友さんという人も考えが浅い!
お雪ちゃんはこう思って、ひやりとしたけれども、そこはまた余裕があって、まあ、米友さんがこうして腹立ちまぎれ、危急まぎれに、思わず知らず得意の棒を擲ってみたところで、鷲はあの通り、千尺の高みにいる、いくら米友さんが棒の名人だからといって、矢も鉄砲も届くはずのないあんな高いところまで、棒が届くはずがない――そうも思って、お雪ちゃんも、やや安心していると、どうでしょう、その米友の擲った槍が、容易には下へ落ちて来ないのです――それはちょうど棒の先に眼鼻