Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 268.946 Zeichen · 520 Bildschirme

Aozora Bunko

「は、は、は、とうとうこんなところへ閉じこめられてしまったよ」

「まあ、誰があなたを、そんな岩の牢の中へ入れてしまいましたの」

「誰でもない、そ、そこにいる人がさ」

と言ったその上眼つかいで、お雪ちゃんの記憶が、お銀様の方へ甦って来ました。

「お嬢様、あなたが先生を、こんな牢の中へお入れ申してしまったのですか」

「でも、仕方がありませんもの」

「仕方がないとおっしゃるのは?」

「胆吹の山の大蛇は、こうでもして封じて置かなければ、世間がたまりません」

「まあ、残酷な」

お雪ちゃんが、一切の恐怖を忘れてムキになりましたが、問題の当人はいっこう平気で、

「まあ、いいさ、こうして窮命させられているのはやむを得ない自業自得というものだ。でも、二人で、よく見舞に来てくれました、ゆっくり昔話でもしようではないか」

懸崖絶壁に腰をかけながら、涼み台に出て世間話でも持ちかけるような気分で、いやになれなれしいところへ、お銀様がまた妙に砕けたしなをして、

「どうです、悪女大姉のことは。悪女大姉に未練はございませんか」

「は、は、もう、何とも思っちゃいないね」

「お絹さんはどうです」

「は、は、は」