Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme

Aozora Bunko

「二股者――」

と山崎から一喝されたが斎藤、なかなかひるまない。

「いいや、二股ではない、昨日は新撰組にいたが、今日は御陵組だ、昨日は昨日、今日は今日、朝には佐幕となり、夕には勤王となる、紛々たる軽薄、何の数うることを須いん――」

斎藤の語尾が吟声になったが、直ちに真面目に返って、山崎の耳に口を寄せると、

「近藤隊長の命で、御陵衛士隊へ間者に入ってるんだよ、僕が――伊東をはじめ高台寺の現状を、味方と見せて偵察し、巧みに近藤方に通知するのが拙者の任務だ」

「そうか」

山崎も納得したらしい。この斎藤というのは名を一と言い、藤堂平助と共に、江戸以来、近藤方の腹心であったが、今度は藤堂と相携えて御陵隊へ馳せ加わってしまった。藤堂の方は新撰組に何か不平があってしたのだから、それが本心であろうけれども、斎藤はあらかじめ近藤の旨を受けて、間者として高台寺へ入り込ませてあるのだという。その内状を山崎が聞いてなるほどと思う――

「して、こんなに遅く、伊東を案内してドコへ行ったのだ」

「それを話すと長いが、まあ聞いてくれ」

これもいい気なもので、御紋章の提灯を橋の一角に安置して置いて、もっぱら山崎を話敵に取ろうというものです。