Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
妥協を申し入れるような口ぶりで、急に折れて来たのは、つまり、ヒットラーではないが、同時に二つの敵を相手にすることは、戦略から言っても、外交から見ても、策の得たるものでないことがわかるから、そこで、前門の狼とは暫く妥協を試みて置いて、下流の乞食から退治にかかろうとする魂胆であるらしい。
そう言いっぱなしにして、相手の返答は聞かず、早くも橋の袂をめぐって、河原をひた走りに走りました。もちろん、めざすところの目的は、月夜のお菰の川渡りであります。彼等の二個のお菰は、斯様な鼻利きのすばらしい猟犬に嗅ぎつけられた運命のほどを知るや知らずや、悠々閑々として、月夜に布袋の川渡りを試みて、誰はばかろうとはしていない。いい度胸です。でなければのほほんの無神経です。
且つまた、橋の上に取残された狼にしてからが、頼みも頼まれもしない藪から棒の送り狼に、待っていてくれと注文されて、その注文どおり、馬鹿な面をして待っていてやる義務もあるまいではないか。
三十三
一方、視野を転換して、のんきな月夜の川渡りの二人のお菰さんの身の上に及ぶ。
二人とも、いい図体をした屈強の男ざかりでありながら、ドコぞ箍がゆるんでいればこそ、今日こうして菰をまとっている。