Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

思う」

お玉は手紙だけを懐中へ入れて、次にそれと一緒に頼まれたお金。

「お金のことがいっそう心配だわ、お金を預かっているのはなんだか心持が悪い」

その時に、

「お玉ちゃん」

子供の声。

これは、ついこの隣りから、同じ間の山へ莚を敷く「足柄山」の子供でありました。ことし五歳で、体に相当した襦袢、腹掛に小さな草刈籠を背負い、木製の草刈鎌を持って、足柄山を踊る男の子でありました。

「金ちゃんかえ、おや、もうお仕度が出来て。お母さんは」

垣根の外にお母さんがいる。

「お玉さん、お早う」

「お早うございます。おばさん、わたしはいま出がけに、お前さんのところへちょっとお寄り申そうと思っていたところなの、まあお掛けなさいまし」

お玉は包みかけたものをそのままにして、金ちゃんの母親を縁側へ招いて、

「おかみさん、昨晩、わたしはこんな拾い物をしたのですよ、まあごらんなさい」

包みかけたのをワザワザ解いて、ムクが啣えて来た印籠を取り出して見せると、

「おやおや、たいそう結構な印籠――金蒔絵で、この打紐も根付も安いものじゃありませんねえ」

「あんまり結構な品ですから、お役所へ届けなくては悪かろうと思いまして、それで今日は少し廻り道をして山田の方まで……」