Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

鼠色の、ずいぶん雨風を浴びた袈裟衣をかけて、帽子を被り珠数を手首にかけながら、少しく前こごみになって、あまり高い音声ではないが、よく透る声で、

「さいぜんも申す通り、我等が境界は跣足乞食と同じ身分じゃ。それにまたこんなに紫の幕を張って、御朱印つきで旅をするというのは我等の心ではない、お役人がそうしてくれるから、そうしている分のことよ。決して我々を、上人だの名僧だのといって有難がってはいけぬ。こうして旅をして歩いて、どこでバッタリと倒れて死ぬかわからぬ身じゃ、なんの我等に貴いところがありましょうぞ、ただただ念仏往生の道を守るのみじゃ。さあさあ、お望みとあらばこれから名号を授けて上げる。それじゃというて、これだけの人数が一度に押しかけられたのではわしがたまらぬ、そこへ木戸を拵えておいたから、先に来たものから争わずに、こちらへ一人ずつ入って来なさるがよい」

遊行上人はこういって、座右の箱に入れてあった名号の小札を一掴み無造作に取っておしいただくと、肩衣袴を附けた世話人が、

「さあさあ、皆さんや、これから上人様がお手ずからお名号をお授け下さる、結縁のお方はこれより一人ずつお通り下さい、お受けになったお方は、あちらからもとのお席へお直りなさるように」