Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

竜之助はまた起き直って柱を背にして坐る。

「飛んだところへ引張り込まれてしまいましたねえ」

「法華寺だということだが」

「法華だか門徒だか知らないが、こんなに荒れたお寺も珍らしい」

「拙者故に飛んだ御迷惑をかけて相済まぬ」

「どう致しまして、旅は道づれですから、かえってこんなこともあった方が面白いのですよ」

「がんりきが言うには、明日は無事安全な別道を案内するとのことだ」

「夜が明けさえすれば大丈夫。今あの男が夜具蒲団を届けてくれると言いましたが、とてもこんなところで、帯を解いて寝られやしませんから、ここで焚火をしながら今夜は夜通し語り明かしましょうよ」

「それもよかろうが、少しでも休まぬと身体のために悪かろう、拙者にかまわずお休み下さい」

「なあに、一晩や二晩は寝ないでいたって、苦しいことはありません」

お絹は、慣れない手つきをして、炉のあたりに夥しく積まれた木端や薪を取って火の中へくべました。

柱に凭れて、うつらうつらとしている竜之助の面色を見ると、痛々しいほどに悄れている。いつも悄れているような人で、それで弱い人でもないのだが、今宵は一層悄れているように見える。