Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

、毒なんてそんなものがこのお邸のどこにあるの、お嗜みなさいよと言われて、毒と言い出した女中は、面を真赤にして文句に詰ってしまいましたのを、後でわたしは思い出してゾッとしました」

「…………」

「そうしているうちに、そのお池ではいちばん大きな真鯉、二尺もあろうというのが、眼の前で、ピンと水を切って飛び上りましたから、女中たちもみんな驚きました、わたしも驚きました」

「…………」

「鯉の跳ねるのはなにも不思議はないが、常の跳ね様とは違って、一跳ね跳ねてから、それがクルクルと水の中を舞ってもがき苦しむのです、そりゃ見ていても凄いほどでございました。なんしろ鯉はほかの魚と違って、俎の上へ載せられても、三十六鱗ビクともせぬという、人間で言えば男の中の男、それが苦しがって器量いっぱいもがき苦しむのですから、そりゃ見ていても凄くなります」

棚を走る鼠としては温和しいと思うと、外ではこの時分から、時雨が古寺の屋根を濡らしている。

古寺の軒端からも玉雫が落ちて瓔珞の音をたてる。外はしめやかな時雨。柴の乾きがよいので、炉では焚火の色が珊瑚を見るよう。お絹は飽かずに語りつづける。