Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの、皆さん」

お豊は帳場の方から言葉をかけて、

「何でございます、その清姫様の帯と申しますのは」

集まっていた無駄話の連中は、一斉にお豊の方を向いて、

「清姫様の帯とは何だとお聞きなさる……なるほど、お前様はこの土地ッ子では無え」

六助はいま更めて、お豊が他国人、ついこのごろ来た人であるかのように合点して、

「それでこそ、そうお聞きなさるも無理はない。清姫様というのはね、それ、能狂言にある道成寺……安珍清姫というあの清姫さまでございますよ」

「ああ、そうでございますか」

その清姫ならば、どんな他国者でも大抵は知っている、それはずっと昔のこと。その帯がどうしたとか、こうしたとか、それがわからないことです。

「その清姫様の帯が、どうしたのでございます」

六助は話し好きです。今日は人足に駆り立てられて半日をつぶし、エエあとの半日もつぶしてしまえと、ここで無駄話をしているくらいですから、お豊から因縁を問われてみれば渡りに舟で、

「それは、こういうわけなんでございますよ」

六助は煙管の皿を掃除にかかった。

「ようございますか、お内儀さん……お前さんは江州生れとかおっしゃったな。