Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「でも、こんなにたくさん咲いているから一つぐらい」

「一つでもいけません、せっかく、月見草がお月見をしているものを、摘み取るのはかわいそうですよ」

「花が月見をする? それはおかしいね、母さん」

「ごらん、この月見草という花は、日が暮れるとこんなに咲いて、日にあたると凋んでしまうのだから。お月様の好きな花、そうしてお月様に好かれる花」

「坊は、こんな花よりも桜の花や、つつじの花が好きさ」

「お前のお父さんはまたこの花が好きであったのだから、お前も好きにおなり」

「それでは好きになろう、この花と一緒にお月見をしよう」

「それがよい。そんならおじさんの傍へ行って、縁側へ腰をかけてお月見をしながら、また戦人の話を教えておもらいなさい」

「そうしよう。おじさん」

子供は勇んで竜之助の傍へ来る、竜之助は黙ってその頭を撫でる。

「おじさん、お前は眼が見えないのだろう?」

「ああ、眼が見えない」

「それでお月見をするのはおかしいね」

「それでもその月見草でさえも、眼がなくてお月見をしているではないか」

「そうだな、眼がなくても月が見えるだろうか知ら」

「それは見える」

「では、この月見草の花は、どんな色をしているか当ててごらん」