Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰か来て下さい」

お吉が叫びを立てたその口を、神尾はしっかりと押えてしまいました。

二十七

神尾主膳はその翌日、頭痛で頭が上りませんでした。終日小坊主の介抱を受けていたが、こういう時に、早速見舞に出てくるはずの門番の又六の女房のお吉が出て来ません。

酔いはもうさめてしまっているが、従来、酔いに次ぐに酔いを以てして、酔いからさめた時の悔恨を医する例になっていたのが、この時にかぎってそれをする術がないものですから、したがって、今までに味わわなかった悔恨の苦痛が、酔いのさめると共に、めぐり来るのを如何ともすることができないらしい。

夕方になると、お吉が見舞に来ないで、又六がやって来ました。

「殿様、お加減がお悪いそうですが、どんなでございます」

「ああ、又六か」

「嚊あの奴も、頭が痛いなんぞといって、今朝から寝込んでしまいました」

「お吉も頭が痛い?」

「どうもお天気具合が悪いせいでございましょうよ」

主膳はこの時気の毒だという感じがしました。せっかく、十分の好意を以てもてなしてくれたお吉の好意を蹂躙して、枕の上らないようにしてしまった昨夜の罪。