Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
それをお天気具合に帰している又六の無邪気。それを思うと主膳は、かわいそうだとも済まないとも、慚じ入るような気分になったのは、主膳としては珍しいことですが、これはむしろ主膳そのものの本性で、いつもそういう悔恨の時に、良心を酔わせる材料がないせいかも知れません。
「お吉も病み出したか、それはかわいそうだなあ」
「なあーに、たいしたことはございませんよ、根ががんじょうな奴ですから」
又六は、昨夜、主膳が酒を飲んだことを知らないらしい。お吉が、それを又六には話していないらしい。してみれば無論、開かずの雪隠以後の、乱暴を働いたことも、いっさい告げ口がましいことをしないから、又六は仕事から帰って早々、ただ病気だと信じて、主膳を見舞に来たのみであることは紛うべくもない。
「時候のせいかも知れない、大事にしてやってくれ」
「有難うございます……それからあの、殿様、ただいま、お客様が、わたしン処まで、おいでなすったでございます」
「ナニ、客が?」
「エエ、殿様にお目にかかりたいんだが、こちらへ伺っては少々都合が悪いから、わたしン処でお目にかかりたいって、殿様に申し上げてくれと頼まれて参りました」