Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「あたいはいつでもいいけれど、逃げるって、お前どこへ逃げるの」

「逃げる先は、わたしがちゃんと考えてあるから心配をおしでない」

「もう、小金ヶ原じゃあるまいね」

「まさか、二度とあそこへ逃げられるものかね、今度は全く方角を変えて、いいところを考えてあるんだから心配をしなくってもいい。それでね茂ちゃん、もう一つ相談だが、お前、ここでいっそわたしと同じように、坊さんになってしまう気はないかえ」

「頭を丸くするの、なんだかイヤだなあ」

「イヤなものを無理にとは言わないけれど、向うへ行って長くいるようなら、そうしておしまいよ」

「そりゃあ、お前、都合によっちゃあね、坊さんになってもいいけれども、いま直ぐじゃきまりが悪いよ」

「いま直ぐでなくってもいいのよ、その心持でいてくれればいいの」

「そうして、お前、逃げて行く先はどこなの」

「それはねえ、これから甲州街道を上って行くと、甲州境に高尾山薬王院というお寺があるのよ、そこへ逃げて行こう」

「お前、そのお寺と懇意なの」

「そのお寺に、昔わたしに琵琶を教えてくれたお師匠さんが、御隠居をなさっていらっしゃるということを思い出したんだよ」