Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
これほどにして置いて逃げられたかと思うと、お角の胸が、またむしゃくしゃする。いきなり、その美しい模様の縮緬の夜具蒲団をズルズルと引張り出して、その上にゴロリと寝そべり、
「梅ちゃん、梅ちゃん、済まないが煙草盆を持って来ておくれ」
腹這いになって、お梅の持って来てくれた煙草を二三ぷくのみました。
暫くすると表格子で、
「今晩は」
「どなた」
おさらいをしていたお梅が返事をしますと、
「入ってもようござんすか」
「金助さんですか」
「ええ、その金助でございますよ」
「お入りなさいな」
格子戸をガラリとあけて入って来たのは、金助に違いありません。
「梅ちゃん、親方は……」
「おかあさんはね……ちょっとよそへ参りましたよ」
「え、留守ですか。留守で幸い、梅ちゃんの前だが、親方は怒ってやしませんか」
「いいえ、別に」
「金助の野郎、出入りを差止めるなんていいやしませんでしたか」
「そんなことはいいやしませんよ」
「それで安心……」
金助は大仰に胸を撫で下ろす真似をしながら、ソロソロと上り込みました。
この野郎も、おっちょこちょいのくせに、いいかげん図々しいが、それでも気がとがめるものがあると見えて、あらかじめ雲行きをうかがってから上り込むと、