Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

「少しではあるまい、うんと飲んだろう、飲む時は七升ぐらい飲んだろう……」

「え……」

与八が、また返答に苦しみました。七升と相場をきめたのがおかしいことです。六升飲んだか、七升飲んだか、そんなことは誰も知っているはずはない。知っているなら尋ねなくてもいいはずだ。

「それで竜之助はどうだ、これはあまりいけまい」

「え、若先生の方も少しばかり……」

「そうだろう、七升は飲めまい」

妙に七升を振りまわすさむらいだと思いました。また事実、飲めようと飲めまいと大きなお世話です。米友ならば食ってかかるのだろうが、与八は、おとなしくそれを聞き流していると、件のさむらいはいっこう無遠慮に、

「どうだ、この道場へはお化けが出るという話だが本当か」

「そんな噂がありますか」

「あるとも、武州、沢井の机の道場には夜な夜なお化けが出る、それで誰も道場を預かり手がない――という噂を聞いて、わざわざたずねて来たのだ」

「へえ、この近所に住んでいるものは、そんなことあ言やしません」

「ともかく、今晩はここへ泊めてもらいたいものだ」

件のさむらいは、道場の板の間の真中へすわりこんでしまいました。