Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど、そこには火鉢を囲んで、七八人の人が集まって雑談に耽っています。下男の紹介で兵馬は一座に仲間入りをする。一座の中の浪人者のようなのが得意になって、

「いや、その前の晩じゃ、拙者が、陣街道を三千人まで来た時分に、河原のまん中に当って異様の物の音がする、はて不思議と耳をすましていると、それが琵琶の音じゃ」

この浪人者は、むしろ新来の兵馬に聞かせるつもりで、兵馬の横顔を見ながら語り出でました。

「へえ、河原で琵琶が聞えましたかね」

とそれにあいづちを打ったのは兵馬ではなく、力自慢で頼まれた若い者。

「たしかに琵琶が聞えたよ、聞ゆべからざるところで琵琶の音がしているから、拙者も不審に思って、立ちどまって耳を傾けている間に、例の人馬の音で、この町が物騒がしくなったから急いで駈けつけたのだが、なんにしても、あの陣街道は鬼哭啾々というところである」

「鬼哭啾々というのは何です」

誰かが抜からず反問したのを、浪人は無雑作に、

「それはお化けの出そうなものすごいところという意味だ。何しろ、分倍河原はむかし軍配河原といって、何十何万の兵士が火花を散らして合戦をしたそのあとだ、陣街道の首塚と胴塚、それに三千人というのは、元弘より永享にかけて討死した三千人を葬ったところだから、今でもその魂魄が残って遊びに出る。