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Japanische Klassiker mit Furigana

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おおさかをあるく

大阪を歩く

直木 三十五

Lesen Sie 大阪を歩く (おおさかをあるく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.964 Zeichen · 65 Bildschirme

Aozora Bunko

勘定が、三円某だから、四五人集まって来たレデー達に、十円出して「釣は入らない」というだけで、三円が、六円になっても、矢張り十円しか出さない(だから、私にサービスしてくれるレデーは、成るべく、酒をのまさないようにする。その方が、私の健康の為にもいいし、彼女の収入の為にもいい)。

それから、美人座へ、時々行く外(多分美人座では、私が、千早昌子を好きだと考えているであろうが、酒場では、好きでなくとも好きな一人を仮定しておくことは酒場交際法の第一課である。誰も好きでないと云い乍ら、度々行く奴は、馬鹿野郎でしか有りえない)、殆ど、私は、外の酒場へ行ったことがない。将来、行っても、私は、矢張り、十円しか出すまい。

何うも、私は、昔から、この十円の遊興がすきであるらしい。今でも、新橋へ、年に一度位、遊びに行くが、九時から行って、妓一人で矢張り十円である。プラトン社在勤当時、九郎右衛門町の福田屋へよく行ったが、十時ごろから一時ごろまで、三代鶴を呼んで(どうも、この人に惚れていたらしいが、はっきりした記憶が無い)うどんを食べて、矢張り十円であった。

それで、時々、この三つの内の何の十円が、一番安い、かを考えてみると、何うも、酒場よりも、お茶屋の方が、私にはいい。