Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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てんぐがいでん きられのせんた

天狗外伝 斬られの仙太

三好 十郎

Lesen Sie 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.347 Zeichen · 243 Bildschirme

Aozora Bunko

井上 逃げるなっ!(それを追って走りながら)仙太郎っ! 追うんだっ!

足音が入り乱れて、塀外へ。走って遠く去る。舞台は真暗でシーンとなってしまう。

永い間。

やがてカチッカチッと小さな音がして、火の光が見える――お蔦が火打石でホクチに火を移しているのである。その、かすかな光の中に、座敷の真中に呆然と棒立ちになっている仙太郎の姿が見える。抜身は右手の柱に斬りつけて喰込んだままになっているので素手だ。――間。

お蔦 ……せ、仙さん! こ、こわかった! 何てまあ……。(立って座敷に上り、燭台を捜す)お前さん、追っかけて行かなくてもいいのかえ?……(言いながらヤット燭をともして右手へ行き、吉村が斬られて落ちた辺をすかして見る)あたしゃ、どうなることかと思った……。どっちせ、ここは早く立退かなきゃ……屋敷から人でも来るとまた面倒だよ。

仙太 (まだ棒のように立ったまま)ウム……。

お蔦 どうかしたのかえ、ボンヤリしてさ?……こんなこと、もう、まっぴら。……どうしたのさ、仙さん?

仙太 (頭をブルブルと振って)その辺に水でもねえか? のどが乾いてならねえ。

お蔦 困ったねえ、水と言ったって……。