Japanische Klassiker mit Furigana
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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Lesen Sie 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.347 Zeichen · 243 Bildschirme
10 真壁在水田
―幕―
10 真壁在水田
明治十七年八月末の晴れた日の午さがり。
広々とした一面の水田で、早稲は既に七分通り生長している。花道は村道。村道は本舞台にかかるとすぐ二つに分れて、一方は左袖へ消え、一方は右に曲って、水田の中を斜めに断って、右奥へ曲って消えている。奥水田の果ては岩瀬町から柿岡町へかけての低い山脈にくぎられ、右奥遠く高く肩を見せているのは加波山と足尾山である。
明るいままに静かで、舞台には人影も見えない。しかし正面の水田の中三、四ヶ所で稲が動いてポチャポチャ水の音がするのは、三、四人の人間が泥掻きと草取りをやっているらしい。一番手前の者の菅笠と尻が時々穂の間からチラチラ見える。――そのままで間。
花道から、小走りに出て来る中年の男二人。キョロキョロ前後を見廻し、青い緊張した顔をして七三で立止る。
男一 そ、そ、そ、そんでさ、いぐら、じ、じ、自由党の壮士と言うとたて、村の者斬りはしねえろ、なあ。
男二 いや、役場へやって来た大将株が、そ言ったと! あんでも自分達のことば警察へ言っつけたり、兵糧ば出さなかったり、壮士に仇をする者が居たら、村の者皆殺しにすると! あんでも、昨日上州の方から来た二十人から上の壮士は、荷車に三台も四台も爆裂弾ば持っていたそうな!