Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
Lesen Sie 天狗笑い (いきにんぎょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.400 Zeichen · 44 Bildschirme
甚兵衛は急いで家へ帰りまして、綺麗な女の人形を一つ取り、その中に釘をいっぱいつめて、釘の尖った先が、皆外の方に向くように拵えあげました。それを持って猿の所へもどってきました。
「そんな人形をなんになさいます?」と猿は不思議そうに尋ねました。
「まあいいから、私のすることを見ていなさい」と甚兵衛は答えました。
彼は猿に案内さして、大蛇のでてきそうなところへ行き、そこに女の人形を立たせました。そして猿と二人で、大蛇に見つからないような蔭に隠れて、じっと待っていました。
しばらくすると、ごーと山鳴りがしてきまして、向うの茂みの間から、樽のように大きな大蛇が、真赤な舌をぺろりぺろりだしながら、ぬっと現われでました。大蛇は人形を見ると、それを生きた人間と思ったのでしょう、いきなり大きな鎌首をもたげて、恐ろしい勢で寄ってきました。そして側に寄るが早いか、その大きな身体で、ぐるぐると人形に巻きついて、力いっぱいにしめつけました。ところが人形には、薄い着物の下に釘がいっぱい、尖った先を外に向けてつまっているのです。いくら大蛇でもたまりません。柔かな腹の鱗の間に、一面に釘がささりまして、そこから血が流れだし、そのまま死んでしまいました。