Japanische Klassiker mit Furigana
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だいきょしほうでん
太虚司法伝
田中 貢太郎
Lesen Sie 太虚司法伝 (だいきょしほうでん) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.847 Zeichen · 16 Bildschirme
大異は驚いて顔をひいた。白いぎらぎらする光が林の中をかっと照らした。と、思う間もなく烈しい雷の音が頭の上でした。
大異は雨に濡れないように後頭をぴったり木の幹へくっつけた。横になっていた死骸が不意にむくむくと起きて、それが大異を見つけたようにして走りかかってきた。大異はこうしてはいられないとおもったので、そのままそこの木へのぼって往った。雨はざあざあと音を立てて降っていた。
大異は梢の高い所へ往ったが、ここなればいいだろうと思ったので、うまく足のかかった枝を足場として、下の方を透して見た。暗い雨の中でも不思議にはっきり見えている死骸の一つは、土蜘の足のような長い片手をこちらへ指して大声を出して何か罵っていたが、あわてている大異の耳には入らなかった。一つは鴉の嘴のような口をこちらへ向けて差し出すようにして立っていた。一つは坐っていたがその長い足が青がらすのように透き徹って見えた。
「あがれ、あがれ、あいつを逃がしたら大変だ」
「今晩のうちに、あいつを取らないと、俺達がひどい目に逢わされる」
「何人か、あがれ、あがれ」
「あいつを逃がしたら、俺達に咎がある」