Japanische Klassiker mit Furigana
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たろうぼう
太郎坊
幸田 露伴
Lesen Sie 太郎坊 (たろうぼう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.863 Zeichen · 16 Bildschirme
ちゃあ可笑いが、難儀をした旅行の談と同じことで、今のことじゃあ無いからなにもかも笑って済むというものだ。で、マア、その娘もおれの所へ来るという覚悟、おれも行末はその女と同棲になろうというつもりだった。ところが世の中のお定まりで、思うようにはならぬ骰子の眼という習いだから仕方が無い、どうしてもこうしてもその女と別れなければならない、強いて情を張ればその娘のためにもなるまいという仕誼に差懸った。今考えても冷りとするような突き詰めた考えも発さないでは無かったが、待てよ、あわてるところで無い、と思案に思案して生きは生きたが、女とはとうとう別れてしまった。ああ、いつか次郎坊が毀れた時もしやと取越苦労をしたっけが、その通りになったのは情け無いと、太郎坊を見るにつけては幾度となく人には見せぬ涙をこぼした。が、おれは男だ、おれは男だ、一婦人のために心を労していつまで泣こうかと思い返して、女々しい心を捨ててしきりに男児がって諦めてしまった。しかし歳が経っても月が経っても、どういうものか忘れられない。別れた頃の苦しさは次第次第に忘れたが、ゆかしさはやはり太郎坊や次郎坊の言伝をして戯れていたその時とちっとも変らず心に浮ぶ。