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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶにんりしょうき

夫人利生記

泉 鏡花

Lesen Sie 夫人利生記 (ぶにんりしょうき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.693 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

いや、どうも。……」

と胸を抱くように腕を拱んで、

「小僧から仕立てられました、……その師匠に、三年あとになくなられましてな。杖とも柱とも頼みましたものを、とんと途方に暮れております。やっと昨年、真似方の細工場を持ちました。ほんの新店でござります。」

「もし、」

と、仕切一つ、薄暗い納戸から、優しい女の声がした。

「端本になりましたけれど、五六冊ございましたよ。」

「おお、そうか。」

「いや、いまお捜しには及びません。」

様子を察して樹島が框から声を掛けた。

「は、つい。」

「お乳。」

と可愛い小児の声する。……

「めめ、覚めて。はい……お乳あげましょうね。」

「のの様、おっぱい。……のの様、おっぱい。」

「まあ、のの様ではありません、母ちゃんよ。」

「ううん、欲くないの、坊、のんだの、のの様のおっぱい。――お雛様のような、のの様のおっぱい。」

「おや、夢を御覧だね。」

樹島は肩の震うばかり胸にこたえた。

「嬢ちゃんですか。」

「ええ、もう、年弱の三歳になりますが、ええ、もう、はや――ああ、何、お茶一つ上げんかい。」

と、茶卓に注いで出した。

「あ、」

清水にきぬ洗える美女である。