Japanische Klassiker mit Furigana
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しっさくき
失策記
豊島 与志雄
Lesen Sie 失策記 (しっさくき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.228 Zeichen · 9 Bildschirme
これだけでも、利子ばかりで月に二百四十円になる。あまりばかばかしくて、行末のことも案じられ、もうこの上は、庭の木の枝にぶら下るか、顳※(「需+頁」、第3水準1-94-6)にずどんと一発やるか、或は両国橋あたりから身を投げるかするより外はあるまいと、さんざん思い悩んで、仕事もせずのほほんとしていた。
それを見兼てか、親切な或る先輩が、その三千円だけでも拵えてやろうと云ってくれた。而も事は急で、明日にも自殺となりかねない雲行である。とにかく三日間待て、という約束になった。
その三日間を、私は一刻千秋の思いで待ち暮したのだが、期限がくると、先輩はにこにこして私の家へやって来た。――「みごとに失敗したよ。彼奴、金はあり余るほど持っているんだが、事情を話すと、こういう返事なんだ、月八分もの高利の金を借りるような人には、危なくて、御用立は出来ない。」
私は唖然とした。というのも、そういう返事は夢にも想像出来なかったからである。断るにしてもいろいろ口実はあろうが、そんな高利の金を借りるような人には危なくて御用立出来ないとは、如何にも理路整然としているし、その論理が面白いのである。