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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.487 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

もとより朋輩のお竹に、小言を言うわけでなく、取わけ意地悪をするのでもありませんが、少しわざとらしいほど素気なく、そして無愛想に仕向けて、かつてお世辞も言わず、機嫌取りもせず、特別に庇い立てするなどということは、頼まれても出来そうはなかったのです。

この空気の中で、大伝馬町の佐久間家には大変な騒ぎが持上りました。

「お内儀さんが見えないそうだ、奥では大騒ぎだ」

少し蒼くなって、店に報告したのは、手代の与三郎でした。

「昨夜は確かにいた筈だが」

主人の勘解由もさすがに面喰って居ります。日ごろ内儀に平かでない者も、内儀の機嫌取りに没頭している者も、一様に動き出しました。出入の鳶の者を近い親類へ走らせたり、物置の戸を外したり、天井裏までを覗いたりしましたが、内儀のお杉は影も形もありません。

「あッ、誰か来て下さい、お内儀さんが」

手代の金助が悲鳴を揚げたのは、大分陽が高くなってからでした。裏の潮入の井戸、平常は使い物にならないので、蓋をしたなりに放って置く浅い井戸の、重い石の蓋を起して見ると、その中に朝から捜し抜いている内儀のお杉が、浅ましい死体になって浮いているではありませんか。