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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.177 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

があり、そして最後に当日の呼びもの、新郎左近倉平の門弟を代表して、深沢深の祝賀演奏があるのでした。

新郎左近倉平と新婦の銀子は、舞台の右手に、大して臆した色もなく差控えました。黒い燕尾服も、指揮馴れのしている倉平にはよく身につき、長いスカートを引いた、銀子の白いドレスも、背の高い可愛らしい銀子には、申し分のない映りようです。

正面には司会者某博士と、式当日だけ雇われた媒酌人夫妻、そして舞台の左手にはグランド・ピアノを据えて、この日の真打、深沢深の出演を待っております。

二百人余りの聴衆は、不思議な予感に囚えられて、一瞬固唾を呑みました。舞台左手から滄浪としてモーニング姿の深沢深が出て来たのです。

その髪の毛は浅ましくも乱れ、その足取りは波を渡る聖フランシスのようでした。幹事の紹介につれて、操り人形のようにガックリお辞儀をした顔を、フラフラと挙げると、藍を塗ったような真っ青な顔に、血走った眼がギラギラと燃えているではありませんか。

舞台の隅には、番組を書いた紙が貼り出されております。「結婚ラプソディ、深沢深作曲、作曲者演奏」とありますが、曲はもとより今日が初演で、作曲者の深沢深は自分一人の胸に秘めて、まだ誰にもその片鱗をも示しておりません。