Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.177 Zeichen · 22 Bildschirme
一
私は幾人かの友人達の迷惑を顧みず、この席上で発表しようと決意したのは、本当の音楽の力というものを、解って頂いた上に、私の親友――深沢深君の偉大な天才と、その悲しき前生涯を知って頂きたいためであります」
一
左近倉平――この名前を聞いただけで、皆様はあああの男かと仰しゃるでしょう。左近倉平こそは、まことに世界的に知られた日本人の一人で、その数多い作曲のうちでも、優れたものの二つ三つ、例えば「お江戸ファンタジー」や「にっぽんシンフォニー」などは、早くも世界の音楽界に紹介され、日本にもこれだけの優れた大芸術があるかと、世界の音楽批評家を驚かしたという嬉しいニュースは、皆様もよく御存じのことと思います。
西洋音楽の手法を完全にマスターして、それに日本的な情緒を盛るということは、随分早くから企てられ、野心的な作曲家によって幾度か試みられましたが、思い付はさることながら、これがどうかすると安価な和洋合奏の化物になったり、お刺身にバタを塗って喰べるような変哲もないものになって、明治の中期から今日に至る半世紀の間に、佳作と見るべき小品、僅かに二三を算えるに過ぎなかったのであります。