Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.830 Zeichen · 24 Bildschirme
三
今までは依頼者への信用を考えてきた南次ですが、幽里子の調子があまりに熱烈になって、このまま捨ておくと何うなるかわからない点まで来ると、社会人として東野南次の常識が後をつけて行って、それとはなしに保護するか、母か姉でもあるなら注意してやるのが正しい道ではあるまいかといった、叔父さん臭い心持にもなるのでした。
実はそんな世間並な年輩染みた考に名を仮りて、幽里子の家と素性とを突き留めたかったのかも知れません。
三
帽子を取って、一歩廊下に踏出した東野南次は、ギョッとして立止りました。
目の前には二十五六の小意気な青年――翻訳していえばヨタ者らしい男が、青白い緊張した顔に、チュウブから押出したような笑を浮べて、いんぎんに小腰を屈めているのです。
「君は?」
「東野さんですね。ちょいと話があります、手間は取らせない、お顔を」
青年は東野南次を押し戻すように部屋の中へ入って、ピタリと後ろ扉を閉めました。
「無礼では無いか、――君は何をしようというのだ」
東野南次は引け目を見せまいとするように、ツイ痩せた肩を張ります。
「何もしやしません。商談ですよ、東野さん」
「商談?」