Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.447 Zeichen · 21 Bildschirme
「この先まだまだ話が続くのですが、私に与えられた時間は尽きました。私は“夢幻の恋”という題目に相応しい一節だけを申し上げて、あとは簡単にこの物語の筋を通して置きます」
話し手の小栗緑太郎はこう言って、キナ臭い顔をして聴いている会員達の顔を見廻し乍ら続けました。
「――家斉の末の娘が鳥取に嫁いで、仲間と駈落したという有名な秘話は、皆様も何かの機会にお聴きになったことがあると思います。この話は徳川時代では飛離れた自由恋愛の一例で、京姫の淫蕩を非難される意味に語り伝えられて居りますが、私の調べたところでは、必ずしもそうとは限りません」
村松金之助は新御殿の庭から外へ、どんなに骨を折って脱出したか、それは言うまでも無いことです。入る時は案内知った金之助に取って、左して困難は無かったのですが、疲れ果て飢え果てた金之助が、此処から脱出する六つかしさは、真に命がけの冒険だったのです。
でも、京姫の新しい記憶を、しかと胸に畳んで、虫のように這って、翌る日の朝日の出る迄には、どうやらこうやら屋敷の外へ脱出しました。
それから金之助は他所乍ら京姫の輿入を見送った後、僅かに残る脇差を売って飢を凌ぎ、暫く時機を待って居りましたが、間もなく伝手を求めて、上八代州河岸の松平相模守屋敷に仲間に身を落して住み込んだことは言う迄もありませ