Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.033 Zeichen · 22 Bildschirme
もしあんまりひどい場面を見せつけられるようなことがあったら飛込んで二人共刺そう――仙太郎はそういった突き詰めた気持で、ジーッと様子を覗っておりました。
ところがどうでしょう。馴れ馴れしく美奈子の側に寄って、その手を取ろうとした丹波丹六は、美奈子の華著な手でパッと払い退けられたではありませんか。
「側へ寄らないで下さい、あなたのような卑怯な方を私は大嫌いです」
美奈子の言葉は激しく上ずって、窓外の植込に隠れている、笠森仙太郎を驚かしました。
「美奈子さん、それでは約束が違やしませんか――僕はお父さんの――いや社長のお許しを受けて、貴女と婚約をした筈になっているのです」
丹波丹六は持前の根強さを発揮して、ネチネチと美奈子に迫りました。
「婚約――とんでもない、私は貴方との婚約を承知した覚えはありません。――貴方は父の少しばかりの手違いを種に、それを警察に密告すると脅して、私との婚約を承知さしたそうですが、私はそれを拒み続けて来ているのです。――その上私の手箱から笠森さんのお手紙を盗んで、それを会社の掲示板に晒し物にし、笠森さんの事を中傷して、あの方を会社から追い出したそうじゃありませんか」