Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.841 Zeichen · 22 Bildschirme
三
それは実に神人倶に許さざる暴挙であったにしても、「泣く子と地頭」という言葉通り、無智な百姓町人達は、それを天災と同じように、不可抗力の出来事と考えるように慣らされて居りました。
村から村へ、五人組の末端へと御布令が廻って、その月のうちに、領内から千人の美女が狩り集められ、名主附添のうえ城下の町へ召出されました。城下に集まった千人の美女、斯う聴くだけでも、その壮観は思いやられますが、千人も選び出すとなると、その悉くが三十二世揃った美女ばかりである筈もなく、中には目鼻立のやや整ったに過ぎない十人並の「所謂美人」も少くはありませんでしたが、それから百人を選び出し、更にふるいにかけて、十人だけ選ぶとなると、流石にピカピカとするのばかりが揃って、点者の三文字紋弥を舌なめずりさせます。
三
「十人の美人をお次に控えさせました」
三文字紋弥が報告すると、
「何うじゃ紋弥、優れたのがありそうか」
阿武隈大膳正至極満悦で、すっかり相好を崩して居ります。
「如何いたしましょう」
「一度に見ては眼移りがするだろう、一人一人これへ連れて参れ」
「かしこまりました」
三文字紋弥は天下の大事を扱うような、至極真面目な顔をして退きました。