Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなとぼうし

女と帽子

豊島 与志雄

Lesen Sie 女と帽子 (おんなとぼうし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.614 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

その時あなた達の再会の場面は、私は見そこなったが、どんなでした? 面白かったですか、酸っぱかったですか。

波江さんも変っていましたね、丁度女盛りではあるし、さんざ苦労をしてきながらも、明るくてのんきで空想的で、また大体世の中を知っているだけに、常識的だが理知の閃めきもあり、客との応対も手にいったものでした。云わば半ばしか堅気の風格は残っていませんでしたね。さすがは、根が料理屋の娘だし、南国の女ですね。それに元来、堅気の世帯くずれの女ってものは、一度解放されると、特殊な面白い点が出てくるものですからね。しまいには、お客さんといっしょに、待合やバーに飲み歩いてたじゃありませんか。

あの店は、波江さん一人でもってるようなもので、波江さんがいないとつまりませんね。大体が陰気だし、酒は普通だが、料理はつまらない。博多の本場風だといってる鶏の水たきが、東京にざらにあるどの水たき屋よりもまずいから、呆れたものですよ。もっとも、おでん屋風の腰掛の店で、ちゃんとした道具立でないから、無理もありませんがね。それにあの、おきゆうと……あれだってただ珍らしいだけですよ。