Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おんなきしゃのやくわり

女記者の役割

野村 胡堂

Lesen Sie 女記者の役割 (おんなきしゃのやくわり) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.039 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

四

小使は内証で飲んだ寝酒がきいて何んにも知らずに熟睡して居たらしい。犯人は食堂から先ず宿直室へ入って、小柴書記の顔の上へ麻酔薬を浸した手巾をのせて、麻酔させ、此会議室に入って、悠々と機密書類を取り出し、入った道を逆に取って、落付き払って出て行ったものらしい――」

四

「ところで千種君、是非君に判断して貰い度い問題があるんだが」

「…………」

花房一郎は、千種十次郎の手を取らぬばかりに、金庫へ近々と立たせました。

「その金庫をハメ込んだ壁に、何んだか文字が書いてあるだろう」

「成程」

見ると、丁度金庫の肩のあたり、クリーム色の壁の上へ、鉛筆で太々と、

暫らく

借りて行く

と二行に書いた文字があります。

「それを見て、君は何う思う」

「サア――」

千種十次郎は、暫らく呻吟しましたが、何んか言わなければ折角誘われて来た甲斐が無いように思ったのでしょう。

「犯人の悪戯だろう」

恐る恐る斯う言って退けると、

「イヤ」

花房一郎は断乎とした調子でそれを否定しました。

「それではこの落書に何んか特別な意味があるというのか」

素人の悲しさ、反対されると忽ちタジタジになります。

「私はあるだろうと思う。