Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなきしゃのやくわり
女記者の役割
野村 胡堂
Lesen Sie 女記者の役割 (おんなきしゃのやくわり) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.039 Zeichen · 32 Bildschirme
七
「失礼だが、私は一寸中座して出かけて来ます。多分三十分と経たない内に帰る積りです。どうぞ、それまで待って居て下さい」
蹌踉として、座にも堪えないように立ち上って、何方ともなく出て行ってしまいました。
七
「どうしたんだ花房君、俺には一向解らないが――」
「今に解るよ、だんだん事件が面白くなるだろう」
「園田氏は何処へ行ったんだ」
「それも今に解るよ。一寸考えさしてくれ、私にもまだ一点だけ疑問が残って居るんだ、たった針の目ほどの疑いだが、これがなかなか六づかしい」
花房一郎は、それっ切り黙ってしまいました。十分、二十分、三十分、やがて小一時間も経つと思う頃、玄関から廊下が急に騒がしくなって、勢よく開いた闥の蔭から、二人の男女が旋風のように飛込んで来ました。
一人は忿怒と懊悩に、日頃の冷静を失った、園田敬太郎氏、それに手を引かれて、抗らい乍ら入って来たのは、東京新報の女記者、あの匂いこぼるるような、美しい園花枝です。
「どうなさるんです、お父様、痛いじゃありませんか」
「黙って此方へ来なさい。お前に見せる物がある」
「お父様、そんな乱暴をなすって――」
「何が乱暴。両親の顔に泥を塗って、それでも飽き足らずに、父親の首へ縄を掛けようとする不孝者には、これ位の事ではまだ手緩い」