Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじんぶつ
好人物
佐々木 邦
Lesen Sie 好人物 (こうじんぶつ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.609 Zeichen · 107 Bildschirme
「村島君は碁が分るのかい?」
とその忍耐力に敬意を表した。
「将棋は分るけれど、碁は能く分らない。まあやり給え」
と千吉君は益※(二の字点、1-2-22)辛抱が強い。
「将棋が分るくらいなら碁も直ぐ分るぜ。一つ始めないか?」
と関君は引っ張り込むならこの男だったと気がついた。
「さあ、此奴は時間を潰すからね」
「道楽は大抵時間を潰すよ。これでも蘭のお化けを描くよりは意味がある」
と長谷川君は遠慮がない。
「厳しいことを言うね」
と千吉君は苦笑した。竹陰さんから竹葉という鰻屋のような号まで拝領したけれど、一向進歩しないことは自他共に許している。
「先刻から凝っとして見ているんだから少しは分るんだろう? 分らなけりゃ退屈する筈だもの」
と関君は勧誘一方だ。
「少しは分るさ。子供の時分に親父のやるのを見ていたから」
「そんなら話せる。兎に角一番やって見給え。井目置いて僕にかゝって来たまえ」
「井目って幾つだい?」
「九つさ」
「九つ置けば勝てるよ」
と千吉君はつい釣り込まれた。
関君は居住いを直した。井目置かせて打つのは臍の緒切ってから初めてのことだから、得意だったのである。