Japanische Klassiker mit Furigana
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いもうとのし
妹の死
中 勘助
Lesen Sie 妹の死 (いもうとのし) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.837 Zeichen · 18 Bildschirme
「なにかいいのこすことはないか」
といったらわずかに笑みをうかめてうなずいた。もう死ぬのはなんともなかったのかもしれない。よくいったように死にたかったのかもしれない。××さんは床に顔をおしつけてたまらなそうに泣いた。……妹の瞳孔は散大してなにも見えないらしかったがその眼もとうとうつぶってしまった。それでもなにかいうらしく唇をうごかして自分の顔のまえにかきさぐるような手つきをした。が、間もなく息をひきとった。最後の息というものはいくたび見ても最後らしく、そしてよそ目にはせつなそうなものである。皆はまわりによって泣いた。私はそういう場合の私の習慣? にしたがって涙はひとつぶもこぼさなかった。そうして彼女の死のためにひとに忘れられてからからになってる西洋海棠に水をかけてやった。鳩がいつものとおり餌をひろいにきていた。晴れて暑い夕べであった。名物の夕なぎがはじまってポプラーも夾竹桃も細工物のように静にたっていた。
屍体を家にはこんで座敷にねせておく。こうなると私はいつも奇異な気もちに襲われる。この陶物の人形みたいに横わってるものをみて これはいったいなんだろう と思う。