Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめとおおきなかね
娘と大きな鐘
小川 未明
Lesen Sie 娘と大きな鐘 (むすめとおおきなかね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.769 Zeichen · 8 Bildschirme
しかるに、この鐘が、二日も、三日も鳴らなかったことがありました。
「今日も寺の鐘が鳴らないが、どうしたんだろう。」と、一人が不平らしくいいました。
「このごろ、寺男のやつめ、なまけやがるんだ。」と、ほかの一人がいいました。
「そんなはずはなかろう。病気じゃないのか。」と、また、あるものはいいました。
「病気なら、鳴ったり、鳴らんだりするはずがねえ。昨日は、ばかに、小さな音であったが、たしかに鳴るには鳴った。」といったものもあります。
みんなは、鐘が鳴らないことに対して、不平でありました。
ほんとうに、村の一人がいったように、このとき、寺男は、病気でありました。幾日も、鐘をつくことができないので、どんなにか気をもんだでありましょう。
「お父さん、私が、かわりについてきます。」といって、娘は、鐘つき堂の方へゆきました。
「とても、おまえの力では無理だ。」と、父親は、まくらに頭をつけながらいいました。
娘の力では、太いなわを引いて、鐘つき棒を動かすことが困難でした。そして、やっと小さな音しかたてることができなかったのであります。
村の人たちは、自分の村で、鐘を打たないというのは、ほかの村に対しても、気のひけることのように考えました。