Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
」
小芳はひたと、酒井の肩に、前髪の附くばかり、後に引添うて縋り状に、
「お帰んなさるの。」
「謹が病気よ。」
と自分で雨戸を。
「それは不可ませんこと。」と縁側に、水際立ってはらりと取った、隅田の春の空色の褄。力なき小芳の足は、カラリと庭下駄に音を立てたが、枝折戸のまだ開かぬほど、主税は座をずらして、障子の陰になって、忙く巻莨を吸うのであった。
二時ばかり過ぎてから、主税が柏家の枝折戸を出たのは、やがて一時に近かったろう。その時は姉さんはじめ、綱次ともう一人のその民子と云う、牡丹の花のような若いのも、一所に三人で路地の角まで。
「お互に辛抱するのよう。」と酒気のある派手な声で、主税を送ったのは綱次であった。ト同時に渠は姉さんと、手をしっかりと取り合った。
時に、寂りした横町の、とある軒燈籠の白い明と、板塀の黒い蔭とに挟って、平くなっていた、頬被をした伝坊が、一人、後先をして、密と出て、五六歩行過ぎた、早瀬の背後へ、……抜足で急々。
「もし、」
「…………」
「先刻アどうも。よく助けて下すったねえ。」
と頬かむりを取った顔は……礼之進に捕まった、電車の中の、その半纏着。