Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
何かまだ抗弁の余地があり相に思われて仕方がないのだ。私は悪夢から逃れようともがく人の様に、当てもなく部屋中を見廻した。諸戸が口をつぐむと、俄にシーンとしてしまった。比較的賑かな所に住みなれた私には、その部屋が異様な別世界みたいに思われ、暑いので窓は少しずつ開けてあったけれど、風が全くないので、外の闇夜が、何か真黒な、厚さの知れぬ壁の様に感じられるのであった。
私は問題の花瓶に目を注いだ。これと同じ花瓶の中に、少年殺人鬼が、一晩の間身をかくしていたのかと想像すると、何ともいえぬいやな暗い感じに襲われた。同時に、何とかして諸戸のこのいまわしい想像を打破る方法はないものかと考えた。そして、じっと花瓶を眺めている内に、私はふとある事柄に気づいた。私は俄に元気な声で反対した。
「この花瓶の大きさと、海岸で見た四人の子供の背丈とを比べて見ると、どうも無理ですよ。二尺四五寸の壺の中へ、三尺以上の子供が隠れるということは、不可能です。中でしゃがむとしては、幅が狭すぎるし、第一この小さな口から、いくら痩せた子供にもしろ、一寸這入れ相に見えぬではありませんか」
「僕も一度は同じ事を考えた。