Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

実に不思議な芸当であった。上から覗いて見ると、子供の黒い頭が、内側から栓の様に、花瓶の口一杯に見えている。

「うまいうまい。もういいよ。じゃあ御褒美を上げるから出ておいで」

出るのは、這入るよりも難しいと見えて、少し手間取った。頭と肩は難なく抜けたけれど、這入る時と同じ様に、足を折り曲げて、お尻を抜くのに、一番骨が折れた。友之助は花瓶を出てしまうと、一寸得意らしく微笑して、下へ下りたが、別に褒美を催促するでもなく、やっぱり押黙ったまま、ジロジロと私達の顔を眺めて突立っている。

「じゃ、これを上げるよ。構わないからおたべなさい」

諸戸がチョコレートの紙函に入ったのを渡すと、子供はそれを引ったくる様にして、無遠慮に蓋を開き、一箇の銀紙をはがして、口に抛り込んだ。そして、さもおいし相に、ペタペタ云わせながら、目では、諸戸の手に残っている、一番美しい罐入りの分を、残念そうに眺めている。彼の貰ったのが、粗末な紙函入りなのを、甚だ不服に思っているのだ。これらの様子によっても、チョコレートやその容器に対して、彼が誠に並々ならぬ魅力を感じていたことが分る。

諸戸は彼を膝の上にかけさせて、頭を撫でてやりながら、