Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
その日限り私達の関係は打断たれてしまったのである。諸戸道雄の求婚運動が成功したのではない。当の木崎初代が死んでしまったからだ。それも普通の死方ではなく、世にも不思議な殺人事件の被害者として、無残にこの世を去ってしまったからである。
だが、木崎初代の変死事件に入るに先だって、私は少しく読者の注意を惹いて置き度い事がある。それは初代が死の数日前に、私に訴えた所の奇妙な事実についてである。これは後々にも関係のあることだから、読者の記憶の一隅に留めて置いて貰わねばならぬのだ。
ある日のこと、その日は会社の勤務時間中も初代は終日青ざめて、何かしらおびえている風に見えたのだが、会社が退けて、丸ノ内の大通りを並んで歩きながら、私がそれについて聞訊した時、初代はやっぱり、うしろを振返るようにしながら、私の脇にすりよって、次の様な事柄を訴えたのである。
「昨夜でもう三度目なのよ。いつもそれは私がおそくお湯に行く時なんですが、あなたも知っていらっしゃる通り淋しい町でしょう、夜なんぞはもう真暗なのよ。何の気なしに格子戸を開けて表へ出ると、丁度私の家の格子窓の所に、変なお爺さんが立止っていますの。