Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
も分っている通り、表口も裏口も、中から錠が卸してあって、どうしても開ることが出来なかったからである。又初代の部屋に這入って、光線を入れる為に、二三人でそこの縁側の雨戸をくった時にも、雨戸には完全に締りがしてあったのだ。とすると、賊はこの三つの出入口の外から忍込み又逃去ったものと考える外はないのだが、そんな箇所がどこにあったであろうか。
先ず最初気がつくのは、縁の下であるが、縁の下と云っても、外に現われている部分は、この家には二箇所しかない。玄関の靴脱ぎの所と、初代の部屋の縁側の内庭に面した部分である。だが、玄関の方は完全に厚い板が張りつけてあるし、縁側の方は犬猫の侵入を防ぐ為に、一面金網張りになっている。そして、その何れにも、最近取りはずした様な形跡はなかったのである。
少し汚い話をする様だが、便所の掃除口はどうかというに、その便所は丁度初代の部屋の縁側の所にあったのだが、掃除口は昔風の大きなものでなく、近い頃用心深い家主がつけ換えたという話であったが、やっと五寸角位の小さなものであった。これも疑う余地はないのだ。又、台所の屋根についている明りとりにも、異状はなかった。