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Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

その代りに、私は死の次に、強く、死の次に古風な、一つの決心をしたのである。

私は、私から大切な恋人を奪った奴を憎んだ。初代の冥福の為にというよりは、私自身の為に恨んだ。腹の底から、そいつの存在を呪った。私は検事が如何に疑おうと、警察官が何と判断しようと、初代の母親が下手人だとは、どうしても信じられなかった。だが、初代が殺された以上、仮令賊の出入した形跡が絶無であろうとも、そこには、下手人が存在しなければならぬ。何者だか分らぬもどかしさが、一層私の憎しみをあおった。私は、その野原に仰臥して、晴れた空にギラギラと輝いていた太陽を、目のくらむ程見つめながら、それを誓った。

「俺はどうしたって、下手人を見つけ出してやる。そして、俺達の恨みをはらしてやる」

私が陰気で内気者であった事は、読者も知る通りであるが、その私が、どうしてその様な強い決心をすることが出来たのであるか、又其後のあらゆる危険に突進んで行った、あの私に似げなき勇気を獲得することが出来たのであるか、私は顧みて不思議に思う程であるが、それは凡て亡びた恋のさせる所であったろう。恋こそ奇妙なものである。