Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
独り者といっても諸戸の様に女嫌いという訳ではなく、これまでに、随分色々な女と夫婦みたいな関係を結んだらしく、私の知る様になってからでも、二三度そういう女を換えているのだが、いつも長続きがしないで、暫く間を置いて訪ねて見ると、いつの間にか女がいなくなっている、といった調子であった。「俺のは刹那的一夫一婦主義だ」と云っていたが、つまり極端に惚っぽく、飽きっぽいたちなのである。誰しも感じたり云ったりはするけれど、それを彼の様に傍若無人に実行したものは少いであろう。こういう所にも彼の面目が現われていた。
彼は一種の雑学者で、何を質問しても知らぬと云った事がなかった。別に収入の道はなさそうであったが、幾らか貯えがあると見え、稼ぐということをしないで、本を読む間々には、世間の隅々に隠れている、様々な秘密をかぎ出して来るのを道楽にしていた。中にも犯罪事件は彼の大好物であって、有名な犯罪事件で、彼の首を突込まぬはなく、時々は其筋の専門家に有益な助言を与える様なこともあった。
独り者の上に彼の道楽がそんな風であったから、何所へ行くのか、三日も四日も家を開けている様なことが、ちょくちょくあって、うまく彼の在宅の折に行合わせるのは、仲々難しいのだ。